初心者向け電験三種・理論・11・テブナンの定理【超簡単に学ぶ!】第三種電気主任技術者
テブナンの定理とは?
簡単に言えば、
「複雑な電気回路で、ある抵抗に流れる電流を、簡単に求める方法」
です。
テブナンの定理を使う大まかな順序は、次のとおりです。
①抵抗Rを外す。
②そこの電位差Vを求める。
③電圧源を短絡し、残りの合成抵抗を求める。
④最初に外した抵抗Rを元の位置に接続して電流を求める。
図1
例えば、この図において、18Ωの抵抗に流れる電流I(A)を求めようと思います。
図2
①抵抗Rを外します。
この場合は、18Ωの抵抗を外しました。
図3
②そこの電位差Vabを求める。
「そこの電位差」とは、さっき抵抗を外した両端の箇所の電位差のことです。
図4
電位差の矢印に注意!
矢印の向きは電流では有りません。
矢印の先が電位が高く、後ろが電位が低いことを表しています。
青い領域で計算します。
この場合は、直列回路ですので、直列の式で計算をします。
Vabは60(V)となりました。
図5
③電圧源を短絡し、残りの合成抵抗を求める。
電圧源を「短絡」ですので、導線でつなぎ合わせることです。
「開放」ではありません。開放は、導線を切ってしまうことですので。
図6
残りの合成抵抗とは?
ここは要注意です!
考え方のコツは、「接点aから接点bに電流を流したら、何列回路になるか?」です。
この場合なら、並列回路として考えます。
図7
並列回路の計算をして、合成抵抗を求めます。
答えは12Ωとなりました。
(この図の、30の右側に駐車禁止みたいなマークがありますが、気にしないでください。たまたま、パソコンの操作マークが映ってしまっただけなので・・・)
図8
④抵抗Rをくっつけて電流を求める。
最初に外した18Ωの抵抗をもとの位置に接続しました。
その際に、③で求めた電位差を起電力とする電源と、④で求めた合成抵抗を直列につなぎます。
図9
あとは、簡単です。
Ωの法則を利用して、電流Iを求めるだけです。
終了!
いかがでしたでしょうか?
特に注意してほしいことは、まずは
②で電位差を求める。という点です。
並列で考えるのか?直列で考えるのか?に十分注意してください。
また、③電圧源を短絡し、残りの合成抵抗を求める。という点です。
「短絡」「開放」を勘違いしないようにしましょう。
それから合成抵抗です。
どこから電流が入り、どこから電流が出ていくか?を考えると、
並列回路、直列回路の、どの考え方で解くのかが見えてきます。
(私も電気を学習した時に、ここが分からなくて悩んだ記憶があります。)
このように、順番を覚えて、その通りに解いていけば簡単です。
どんな定理も、「順番を守る」ことで、スピーディーに効率良く問題を解くことが出来ます。
お役に立てていただければ幸いです。